いざ介護・福祉の仕事を選ぶとなった場合、たくさんの施設の種類があります。介護職員を始める方の多くは、働く前に介護職員初任者研修を受講する方も多いですので、その研修の時も施設の種類について学びます。とはいっても、実際にどんな施設なのかをイメージすることは難しいかと思います。介護・福祉の施設・事業所をご紹介しますので、転職の参考にして頂ければと思います!
デイサービス
デイサービス(通所介護)には、施設ごとに様々な特徴がありますが、提供するサービスは大きく分けて食事・入浴・レクリエーション・機能訓練・送迎などがあります。自分にあったデイサービスを探すことは、働いてみないと分からないことも多いですが、どういう特徴があるのかを調べておくことも大切かと思います。また、デイサービスは、主に在宅の方への介護サービスになりますので、入所系(老人ホームやグループホーム)よりも介護度が軽度の方が多いのも特徴です。
また、入所系とは違い送迎業務があり、決められた時間の中で介護をする必要がありますので、結構バタバタする時間が多く、時間との闘いとなることも多いかと思います。なので、あっという間に一日が過ぎてしまうので、テキパキとした仕事が向いていかたにはとても良いと思いますね。
給与面でいうと、施設や会社によって違いがありますが、入所系のように早出・遅出・夜勤がない分、時間外手当がない為、入所系よりも給与が低くなることが多いともいえます。
デイサービスを運営する施設や会社も様々です。例えば、特養と併設されたデイサービスで社会福祉法人が運営する場合もありますし、街中でよく見かけるようなマンションの1階のテナントに入っているように株式会社が運営する場合もあります。
送迎業務があるのも特徴ですが、運転免許がない方でも正社員として勤務される方もいらっしゃいます。送迎は専属のドライバーがいる場合もあります。ただ、介護職員が送迎も行っている所も多いので、送迎業務ができる方のほうがデイサービスでは有利ですし、送迎業務ができる方しか募集していないという事も多いかと思います。
それと、デイサービスの介護職員のあるあるといえば、レクリエーションが大変だったり、イベントの準備が大変ということをよく聞きました。利用者さんの前で、大きな声で説明したりして、楽しんでもらえるように工夫したりと苦手な方にとっては大変ですよね。でも、仕事だからこそ努力もできますし、デイサービスの介護職をきっかけに、人前で話すことが得意になったという事もよく聞きます。なにより、利用者さんの笑顔があると、一気に疲れが吹っ飛ぶとも思いますね。デイサービスの介護職をきっかけに、自分自身の性格が明るくなったり、社交的になったりということもあるので、仕事として続けるには、非常におすすめです。
有料老人ホーム
有料老人ホームには3種類があります。介護付有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・健康型有料老人ホームの3つです。
介護職の求人が最も多いのは介護付き有料老人ホームです。次に多いのが住宅型有料老人ホームです。健康型有料老人ホームは数が圧倒的に少ないので、求人自体もなかなかみつからないかもしれません。
ではまず、①介護付き有料老人ホームと②住宅型有料老人ホームの説明をします。平らたくいうと、介護付きはその名の通り介護がいつでも受けられる有料老人ホームで、住宅型は必要な時に介護が頼める有料老人ホームです。
①介護付き有料老人ホームの介護職員は、入居者様の全ての生活に関わりながら介護を行います。食事・排泄・入浴といった3大介護はもちろん、施設内でのリクリエーションを行ったり、散歩やおでかけにも行くこともあります。
②住宅型有料老人ホームは、必要な時に必要な分だけ介護を頼むという施設です。なので、もし、介護職員として勤務するとなれば、施設内の各部屋に、その都度、訪問介護に行くような感じですね。介護付き有料老人ホームと比べれば、自立度が高く軽度の方が多いのが一番の違いといえますね。
では、最も多い介護付き有料老人ホームについて説明していきますね。介護付き有料老人ホームは、それなりにお金がかかるので、入居する方はある程度お金に余裕のある方が多いといえます。ですので、非常に豪華な有料老人ホームもあります。ですので、有料老人ホームの介護職員には、ホスピタリティといった親切で丁寧な対応が求められると考えてられます。ただ、私は有料老人ホームの介護職員として勤務したことがありますが、経験上、あまり気にするレベルでのないのかなと感じています。例えばホテルマンのように厳しい従業員教育もないことがほとんどですし、面接で高い接客レベルや接遇レベルを求められること少ないと思います。というのも、どこの介護施設は人手不足の現状がありますので、そこまで手が回らないのが現状かと思います。ですので、お金持ち相手なので自分にはハードルが高いのではという不安は、あまり必要ないかなと思います。私が勤務していた有料老人ホームは、施設に支払う金額が毎月30万円以上必要でしたが、実際働いている介護職員は、丁寧な接客できる方もいればそうでもない方もいらっしゃいますし、入居者様も接客などにうるさい方も、ほとんどいませんでした。
介護付き有料老人ホームで介護職員として働くメリットといえば、自立度がある程度高く元気な高齢者との関わりを持つことができますし、また、重度で寝たきりの全介助の方との関わりを持つことができます。なので、幅広い介護を経験できることが、介護職員としてのキャリアには、非常に意味があると感じています。
給料や休日といった条件面というと、施設によって違いがありますね。例えば、大企業の有料老人ホームだから待遇も職場環境も整備されているかというと、そんなこともありません。私は、かなりの大手の有料老人ホームで勤務をしてました。私の場合は、家から近くて大きな介護施設という理由で、初めての介護職員として就職しましたが、入社してから半年後に、介護職員の友達の給与を聞いてかなり驚きました。年収でかなりの違いがあったからです。私の介護施設で3年以上勤務してサブリーダーをしている介護福祉士の年収と、初任者研修しかもっていない勤務6か月目の特養の職員の年収のほうが高かったのです。なので、私のようにならないように、転職する前に、しっかりと年収ベースで考えてみてくださいね。特に、賞与については、求人情報をみてもはっきりと提示しているところは少ないです。最も確実に確認する方法は、面接のときに、想定年収を聞いてみることです。面接だから聞きにくいというふうに考えず、聞いてみることをお勧めします。面接でお金のことを聞いて、印象が悪くになり不採用になるかもと思うかもしれませんが、そんなことで不採用にするような組織や会社ってどうかと思いますし、そもそも人手不足な職種ですので、必要なことはしっかりと聞けるくらいの強気で転職活動をしても良いと思いますね。
有料老人ホームのように入居施設では、夜勤がありますよね。介護職員にとってもは、1か月で何回夜勤をするかで、大きく収入が変わってきます。私は、介護職員未経験で転職したとき、6か月間は夜勤がなかったので、本当に予想以上のお給料でした。これ以上低い給料はないんだろうなというレベルでしたね。夜勤はいつからやらしてもらえるかというと、それは勤務した施設や担当フロアによっても決まりますし、介護職員の能力にもよって変わってきます。人手不足でとにかくすぐに夜勤をさせるような施設もありましたし、介護職員がなかなか仕事に慣れずに、1年経っても夜勤ができないという方もいらっしゃいます。未経験で介護職に挑戦した場合、夜勤勤務が一人前にできることは、大変大きな第1歩ですし、夜勤が一人前にできれば、自分にとっても大きな自信にもなるかと思います。
有料老人ホームのまとめですが、まず介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームの違いがあります。そして、有料老人ホームは、特養や老健と違い、自立度の高くまだまだ元気な方も入居できます。なので、様々な介護度の方と関わりを持つことができます。また、有料老人ホームだからといって、特別に高いスキルや接客レベルを求められる心配はないかと思います。給与面は様々ですが、大企業だからといって給与・休日なの待遇がよいとは限りません。しっかりと年収ベースで考えて、面接ではしっかりと確認することも大切だと思います。私の実体験ですが、私は介護職員として初めて転職したのが介護付き有料老人ホームで良かったと思っています。それは、たくさんの介護職員との出会いと、入居者様との関わりで、人生の財産ともいえる体験ができたと思っています。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは特養と呼ばれます。地方自治体や社会福祉法人が公的に運営を行っており、ほかの施設よりも安い費用で利用することができます。安く利用ができますが、入所条件は要介護3以上であり、その条件を満たしても、入所待機者も多くいるため、入所待ちもまだまだある現状です。
特養で介護職員として勤務する場合は、その施設の特徴を知っておきたいところですよね。
特養は、要介護3以上の方しか入所していません。つまり、重度の要介護の方しかいない為、身体介護を必要とする方々への介護がとても多くなります。介護職員として初めて働く人にとって、それが良いのか悪いのかは、考え方次第だと思います。例えば、未経験なので重度の方の介護は不安と思うかもしれませんが、しかし反対に、未経験のうちにしっかりと経験と技術を身につけたいと思うかもしれませんね。
給料や休日などの条件はどうかというと、それぞれの特養によってかなり差があります。ですので、特養で介護職員として勤務してみようと思った方も、しっかりと条件の比較はしてくださいね。私が人材コーディネーターを行っていた時、多くの特養の条件を見てきましたが、驚くほどの違いがありました。介護職員として最低基準の条件のところもあれば、同じような職種の有料老人ホームでは決して探せないほど好待遇の特養もありました。
給与などの条件以外の特徴はというと、これも施設次第によって様々です。例えば、施設の建物や設備がものすごく古いところもあれば、最新の建物で設備も充実していて、公的な施設とは思えないほど綺麗な施設も存在します。
入居さんやそのご家族への対応についても、施設次第によって違いが大きいといえます。公的な施設で、費用も安いので、あまり親身になって対応してくれないというイメージがあるかもしれませんが、施設によっては、高額な有料老人ホームよりも、入居者様とそのご家族に寄り添った支援をされている特養もありました。
もし、特養で介護職員として働いてみようと思う方は、勤務時間についても事前に確認してみてください。というのも、入所施設で介護職員として勤務するのであれば、夜勤が必要になってきます。もちろん、夜勤なしでの勤務も可能ですが、正社員で働きたい場合や、給与を高くしたい場合などは夜勤も必要になることが多いでしょう。夜勤の時間帯は、大きく分けて2種類あります。ひとつは2日分勤務するロング夜勤と、もうひとつは1日分の勤務のショート夜勤です。ロング夜勤は夕方から翌朝までの勤務です。体力に自信のある方にはおすすめです。また、1夜勤で2日分働くので、その分日中の自分の時間が確保することができます。ですので、若い方にはよいかもしれませんね。
特養のまとめですが、とにかく施設によって差が大きいということかと思います。給与も休日も勤務時間、建物や設備、職場の雰囲気など、各施設によって様々です。公的な組織が運営しているので、あまり差がないように思うかもしれませんが、驚くほど違いがあると思いますので、なるべく好条件の特養を見つけて、なるべく長く勤めて、介護職員としてキャリアをしっかりと積めるような転職を目指して頂きたいです。
訪問介護
訪問介護では、自宅に行き、身体介護(食事・排泄など)や生活援助(掃除などの家事)を行います。訪問介護で介護職員として働く場合は、必ず初任者研修が必要です。デイサービスや介護施設で働く場合は、無資格で働く事も可能ですので、無資格で介護職員として働きながら初任者研修や実務者研修を取得する方もいらっしゃいます。ですので、もし訪問介護で働いてみたいという方は、事前に初任者研修を取得しましょう。
訪問介護事業所の中には、初任者研修の費用を一部負担してくれる事業所もありますので、面接をする前に事前に確認するとよいかもしれませんね。また、ハローワークを通じて公共職業訓練や求職者支援訓練を活用すると、初任者研修費用が無料になるだけでなく、職業訓練受講給付金を毎月10万円程度の給付金を受け取りながら資格取得も可能です。なので、無資格の方は、資格取得前に、ハローワークや介護事業所に問合せを行ってから申し込みを行いましょう。
訪問介護の場合、登録ヘルパーとして勤務する場合と、正社員として勤務する場合があります。登録ヘルパーの時給は、他の介護職の時給よりも高いのが特徴です。ただ、その分たくさん給料がもらえるかというとそうとも言い切れません。というのは、登録ヘルパーの場合、常に時給が発生するわけでなく、実際に訪問介護を行っている時間のみに時給が発生し、移動時間などは時給が安いか一切にないかという事になります。また、登録ヘルパーの場合、仕事が多い日もあれば少ない日もあります。特に最初の時は、もちろんたくさん仕事がないので、少しずつ仕事を増やして、その分給料も少しずつ増えていくことになります。
では、実際に登録ヘルパーさんの月給は高いか安いかというと、働いた分だけもらえるので、たくさん仕事をもらえれば、施設などの介護職員では稼げないくらいの給料を稼ぐこと可能です。例えば、月給30万円以上も可能ですし、なかには50万円近く稼ぐ方もいらっしゃいます。それは、忙しい訪問介護事業所でいっぱい仕事をもらい、働く時間帯も早朝や深夜などの勤務もこなしたりすると高収入も可能ということです。
一般的に、どれくらい稼げるかというと、普通のパートさんと同じくらいやそれ以上は決して難しくないと思います。働く時間や曜日も、パートさんの場合は選ぶことも可能かと思いますので、自分に合った働き方も可能ですね。ただ、自分の都合通りに仕事をもらえるかというと、そう簡単でもありませんし、給料が増えたり減ったりすることもあります。ただ、ひとつ大切な職場選びとしては、たくさん仕事がある訪問介護事業所を選ぶことですね。もちろん、働いてみないとわからないことですが、いくつかの訪問介護事業所で登録を行ってみて、色々と探りながら、自分に合った働き方を見つけていくことが大切だと思います。
訪問介護では、施設での介護職員との違いがいくつかあります。例えば、訪問介護では、一人で行動することとなります。そして、施設とは違い、訪問する家ごとに覚えることが多くあります。料理をするにも調理器具の場所は調味料の場所など、細かなところまで覚える必要があります。また、自分以外のヘルパーさんも訪問介護を行うため、他人とできるだけ同じ内容の介護をする必要があります。
私が個人的に思うことは、訪問介護の介護職員が、最も高い能力や対応力を求められると思います。その反面、施設での介護職員には味わえないやりがいもあると思っています。孤独な高齢者の方のご自宅に通ううちに、自分のことを待っていてくれると感じれた場合は、今日もあのおばあちゃんに会いに行こうという気持ちにもなりますし、私のことを待っててくれるから頑張ろうという気持ちにもなれます。訪問先では、一対一での会話する時間もあるため、とても仲良くなることも、よくあると思います。
私が多くの訪問ヘルパーさんから聞いたことは、一度訪問ヘルパーにハマると、なかなか辞められないという事です。やらないとわからないその仕事の醍醐味があるようです。本当に奥が深い訪問介護のお仕事ですが、もし自分が、将来訪問介護を利用することを想像すると、自分も人生の経験値としては働いてみるのもいいかもしれませんね。
老健(介護老人保健施設)
介護老人保健施設は老健と呼ばれます。老健とは、在宅復帰を目指し、65歳以上の「要介護1」以上の方で、医療ケアやリハビリを必要とする方が入居する施設です。3か月に一度入居継続かどうかを判断することも大きな特徴です。つまり、病院から退院して自宅での生活が困難な場合、在宅復帰を目指してリハビリを中心にサービスを受ける施設です。
老健で働く介護職員としての特徴は、医師や看護師が常駐しており、医師や看護師の指示のもと、介護を行います。特養や有料老人ホームでも、看護師は配置されていますが、老健の場合は、運営自体が医療法人ですので、医師・看護師の数も多く配置されています。また、リハビリの専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)も勤務しています。
特養での勤務経験のある方が、老健に転職して、その違いに驚くそうです。特養では、介護職員が中心ですが、老健での医師・看護師・リハビリスタッフが中心ということのようですね。では、老健で介護職員として働くことは辞めておいたほうが良いと思っているわけでは全くありません。それは働く人のとらえ方次第です。老健の介護職員は、明確な指示やルールが医師・看護師から受けることができ、安心して働けるという側面があり、なにより、命の危険のあるような「いざという時」には、すぐそばに医師・看護師に頼ることできます。また、老健に勤めることで、多くの専門職の方と関わりを持つことができ、自分のキャリア・知識・人生においても大変貴重だと思います。
老健の介護職員を経験したのち、看護師を目指す方もいらっしゃいますし、その後の人生にも大きなきっかけやチャンスが広がるかもしれませんね。
居室のタイプは特養と同じで個室と多床室があります。介護職員としてどちらのほうが勤務しやすいかというと、これも働く方次第ではありますが、多床室のほうが目が届きやすく、働きやすいという意見が多かったように思います。だた、新しく建てられた施設は、基本的に個室です。なので、多床室しかない老健や特養は、建物や設備は古いのが一般的で、それはそれで苦労することもあるかと思います。
特養に比べると、老健の数は少ないので、もし通勤圏内に老健があれば、一度転職を検討しても良いかと思います。
まとめとして、好奇心・向上心・勉強熱心な方には、断然、老健での介護職員がおすすめです。
グループホーム(認知症高齢者)
グループホームとは、認知症の方が共同生活を送る施設です。施設は5人~9人のワンフロアで共同生活することが多いです。これをユニットと呼びます。ひとつのユニットでは、食堂・台所・リビング・浴室があり、そして入居者様の個室があります。ちなみに、グループホームの正式名称は「認知症対応共同生活介護」です。
そもそも、グループホームの目的は、少人数の共同生活を送ることで、認知症の進行を遅らせ、馴染みのある入居者同士が穏やかに暮らし続けることにあります。多くの入居施設を、実際に見てきた私の感想としては、その目的の通り、穏やかで、ゆっくりと時間が流れている介護施設という印象があります。
もし、介護職員として、忙しさについていけるか不安を感じている方や、これまで介護職員として働いていたが、忙しすぎてついていけないという方には、グループホームでの転職は、とても良いかも知れませんね。
施設にもよりますが、特養・老健・有料老人ホームでの入居施設であれば、介護職員が担当する入居者数は、18名から30名程度ではないかと思います。グループホームであれば、9名から18名という所が多いと思います。ちなみに、私が有料老人ホームで介護職員をしていた時は、ワンフロアに最高38名の方が入居していました。その38名の方に対して、1人で夜勤をすることもありましたので、施設によって、介護職員の業務量には、かなりの違いがあるといえます。
障害福祉施設
生活介護
生活介護では無資格の方でも生活支援員として勤務できるので、無資格・未経験の方には福祉のお仕事として始めやすいといえますね。
生活介護とは、障がい者の自立の促進・社会参加・生活の改善・身体機能の維持向上などが目的で、日中の時間帯に提供される福祉サービスです。利用者様は、成人の方で障害区分3以上(50歳以上は障害区分2以上)の方となっており、知的障害・身体障害・精神障害のすべての方が対象です。
生活介護での職種としては、生活支援員が主な直接的な支援者で、その他、サービス提供責任者・医師・看護師・理学療法士・作業療法士です。生活支援員とは、食事・排泄・入浴なでの介助を行い、その他様々なサポートを行いますが、サービス提供責任者が作成した支援計画に沿って支援を行います。生活支援員には、必要な資格要件はないので、未経験の方でも従事することが可能です。また、3年間の実務経験と介護職員実務者研修を取得できれば、介護福祉士の試験を受験することも可能です。
生活支援員の勤務時間は、主に9時から17時が一般的です。また、日曜日・祝日が定休日という事業所も多くありますので、主婦の方でも比較的勤務しやすいかもしれませんね。
就労系
就労系には、主に①就労移行支援②就労継続支援A型③就労継続支援B型がありますので、それぞれ簡単に説明しますね。
①就労移行支援とは、障がいのある方が、一般の企業への就労に向けてトレーニングなどを行い、就労後もサポートを行います。
②就労継続支援A型は、障がい者の方が事業所と雇用契約を結び、最低賃金以上の給料を支払われます。
③就労継続支援B型は、一般就労が困難な方を対象とした福祉サービスで、作業内容は軽作業が多く、雇用契約を結ばず、賃金ではなく工賃を給料として支払われます。
就労系の福祉サービスは、障がい者の方の能力や自立度によって、どの就労系にするかを選ばれます。ですので、就労系の福祉サービス事業所で転職する場合、それぞれの特徴を踏まえて、自分にあった事業所を探してみることも大切かもしれませんね。ちなみに、就労系で障がい者の方をサポートする職種は職業指導員と呼ばれます。
放課後等デイサービス
放課後等デイサービスは、障がいのある児童や発達障害のある児童に対して、学校や家庭以外で、様々なプログラムを通じて支援する施設です。小学校に通うまでの児童(未就学児)は、「児童発達支援」という福祉施設で、小・中・高(6歳~18歳)の児童は「放課後等デイサービス」という福祉施設です。
放課後等デイサービスや児童発達支援には、それぞれの事業所において様々な特徴があります。利用する児童の障がいの特性によって、適したプログラムのある事業所を選ばれます。例えば、運動メインにした放課後等デイサービスもあれば、学習をメインにした放課後等デイサービスもあります。
放課後等デイサービスで主に活躍している職種は、児童指導員と呼ばれます。施設の管理者は、児童発達管理責任者と呼ばれます。その他、保育士・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの方も勤務していることがあります。
児童指導員になるためには、色々と要件がありますが、よくあるケースだけご紹介しますね。高卒以上の方の場合、2年以上放課後等デイサービスで働くと児童指導員として働くことができます。あるいは、教員免許・保育士・社会福祉士・精神保健福祉士などの資格を持っていれば、すぐに児童指導員として勤務可能です。あるいは、大学や大学院で専門課程を修了した方も児童指導員として勤務可能です。
放課後等デイサービスの勤務時間は、他の介護・福祉施設とは大きな違いがあります。それは、学校が休みの日は、基本的に朝から夕方までがサービス提供時間となり、学校がある日は、基本的に放課後のみのサービス提供時間となります。ですので、児童指導員として勤務すると、夏休みなどは、ほぼ毎日、朝から夕方まで直接支援する時間が続き、それ以外は放課後からの短時間での直接支援する時間となります。
定休日ですが、日曜日や祝日を定休日とする放課後等デイサービスが多いですね。勤務時間は、学校がある日は10時から19時が多く、学校がない日は9時から18時が多いかと思います。ただ、定休日・営業時間を含め、施設のプログラムの内容は、施設によって、かなり違いが大きいのも放課後等デイサービスの特徴です。
業務内容としては、様々なプログラムの指導を行います。また、同時に、安全に配慮することも、とても重要な役割となります。また、送迎業務も児童指導員が行うこともありますので、自動車免許を持っている方で運転ができる方のほうが、働きやすいといえますね。そして、保護者の方への対応や、介護・福祉のお仕事で共通することですが、記録業務も重要な役割となります。
他の福祉のお仕事と比べて、最も特徴があるとすれば、対象の方が児童であるという所です。なので、児童の成長を感じられることが、やりがいとなるかと思います。例えばですが、放課後等デイサービスを卒業して、成人になった方と、偶然再会した時、きっと、他では感じることのできない感情があると思いますね。また、まだまだ幼くて頼りないと思っていた児童が、驚くほど成長を感じる瞬間もあるかと思います。
グループホーム
障がいのある方が入居する施設で、「共同生活援助」という障害福祉サービスです。認知症高齢者の方が入居する介護施設もグループホームといわれるので、求人情報を見て、どちらのグループホームか確認してくださいね。
グループホームでは、日常生活をサポートする職種として、世話人や生活支援員と呼ばれます。また、管理者としてサービス管理責任者も必ず配置が必要となっています。
入居者様の必要に応じて支援を行いますので、自立度の高い入居者様の場合は、見守りや声掛け程度の支援でもよいグループホームもあります。また、重度といわれる方の場合は、食事・排泄・入浴介護などの身体介護が必要であったり、パニックによる他害行為や自傷行為の対応、てんかん発作の対応など、様々な支援を担うことになります。
少人数の方が入居しているグループホームでは、夜勤者は1名という事も多いですね。世話人も1施設を1人の場合も多いですね。グループホームは入居者様が少ない場合、関わる職員も少なくなりますね。
高齢者施設の夜勤の業務とは、かなり違っている場合が多いですね。障がい者のグループホームの夜勤の場合、入居者様がそもそも少なく、それに加え介助する内容も少ないことが多いかと思います。それとは反対に、高齢者の夜勤の場合は、定期的に排泄介護を行ったり、車いすの方の移乗も行ったりと、結構な体力が必要になり、腰痛に悩む介護職員も多いですね。