未経験の方は、介護職員ってどんな人が働いているだろうとか、職場環境は大丈夫かなあとか、人間関係は悪くないかなあとか、不安になる方も少ないと思います。
私が不安だったことは、自分に人のトイレ介助ができるのだろうか?とか、人を抱えることってできるのだろうか?とか、身体介護についての不安がありました。そして、私が人材コーディネーターとして働いているときは、多くの未経験者の方から、色々と相談を受けましたが、身体介護への不安や、職場の人は丁寧に指導してくれるのかという不安や、認知症の方の対応の不安など、かなり様々でした。
未経験者の不安な事では、特に人間関係と身体介護の不安が多かったです。
まず、人間関係についてですが、これはどこの職場と一緒で、その職場によって様々ということがあります。そこで、最も職場での人間関係を左右する所は、その組織の管理者やリーダーの存在です。自分が転職した会社は、給料や休日などに問題が全くなかったとしても、配属された組織のリーダーや主任などの管理者が、その組織を上手くまとめることができていない場合、苦労することも多くなってしまいます。
リーダーが、職員とのコミュニケーションが行き届いていたり、みんなから信頼されている場合は、たとえ人手不足な時でも、チーム一丸となって乗り越えたりします。反対に、リーダーが頼りない存在で、自分勝手なリーダーや、自分の機嫌によって態度が変わるリーダーの場合、よい会社に就職できたとしても、とても苦労することになることが多いと思います。
介護施設の場合、本当にリーダー次第で、従業員の満足度は左右されると思います。特に、未経験の方や、経験が浅いうちは、特に苦労することでしょう。自分の経験や知識がしっかりとしていれば、リーダーがよくない場合でも、意見交換ができ、リーダー以上の管理者への相談なども可能ですよね。ただ、未経験で、何が正しいのかもわからない状態で、リーダーも助けてくれなかったり、職場の先輩達もまとまっていない職場では、介護技術の向上にも時間がかかってしまったり、間違ったやり方で仕事を覚えてしまう危険性もありますよね。
次に、身体介護についての不安ですが、これは実践あるのみです。例えばトイレ介助・排泄介助ですが、大変なのか、以外と大丈夫なのかは誰にもわかりません。私自身、仕事での排泄介助に対して、全く問題なく取り組むことができました。また、多くの未経験の介護職員の方と出会ってきましたが、トイレ介助・排泄介助で介護職員が続かなかった方は、一人もいませんでした。また、移乗(身体を抱えたりして、身体を移動させること)については、最初はかなり苦労しました。車いすからトイレに移乗する場合や、ベッドから車いすに移乗する場合や、入浴の際の移乗など、介護職員にとって必ず必要となる技術です。しかし、これも排泄介助同様、経験がものを言いますので、とにかく数をこなしてなれるしかないと思います。
未経験の方や、経験の浅い介護職員は、とにかく、自分のペースで身体介護をするように努めて欲しいです。人手不足が深刻化している介護の現場で、これから活躍したいという強い気持ちがあったとしても、経験のないときに介護事故などをしてしまっては、その後、介護職を続けていけなという事になりかねません。人手不足の職場なので、先輩や上司から、もっと早く移乗や介護をしなさいと指導があったとしても、無理は禁物です。もし、先輩からの指示で急いた結果、介護事故をしたあと、その責任を先輩がとってくれるとはなりません。未経験の方は、自分の人生を守るうえで、無理をしないことを、どうぞ肝に銘じて取り組んで欲しいですね。
あと、私の個人的な感想になってしまいますが、介護職員の特徴としては、やはり優しい人が多いという点です。これまで、いくつかの職場で働いた経験がありますが、圧倒的に優しい方が多いという印象でした。テレビやネットでは、介護職員の虐待のニュースなどを見聞きすることが多いので、介護職員に怖いイメージがあるかもしれませんが、そういった人は、ごくごく一部であって、基本的には優しく、そして、介護職員を通じて強くなった方が多いと思います。
経験が浅いうちは、素敵な介護職員の先輩を見て、いつか自分も、テキパキと仕事をこなして、強く優しい介護職員になりたいという気持ちを持つことができました。今でも、そのころの先輩には、心から感謝をしています。
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